レッドラインは、要約ではなくファイルを信じる
レッドラインは、前のドラフトと新しいドラフトを1つの画面に重ねて見せるものです。削除された文言には取り消し線が引かれ、新しい文言には印が付きます。相手方のレッドラインが新しいドラフトと一緒に届いたら、その中身を確かめてください。変更履歴で作られたレッドラインには、作成者が記録した編集しか入っていません。2つのファイルを直接比較すれば、文書そのものからすべての差分を組み立て直せます。DOCXのドラフトならWord文書を比較、書き出し済みの版ならPDFを比較をお使いください。レッドラインと比較結果が食い違ったときは、比較結果のほうが正しいと考えてください。
チェックリスト、変更された版で必ず確かめること
- 当事者と定義。法人名、登記情報、そしてほかの条項がぶら下がっている定義語です。定義がひとつ変われば、それを使うすべての条項が書き換わります。
- 金額と支払条件。価格、上限額、通貨、支払期限、遅延損害金です。ここの数字ひとつは、定型文の数ページより重い意味を持ちます。
- 日付と期限。契約期間、更新と通知の期限、納品のマイルストーンです。暦日と営業日がすり替わっていないか注意してください。
- 責任と補償。責任の上限、その上限から外される項目、補償の範囲、保険の要件です。ここをそっとゆるめるのは、よくある静かな修正です。
- 解除。誰が、どんな事由で、どれだけの予告をもって解除できるのか。そして解除後も残るものは何か。秘密保持、発生済みの支払、知的財産の譲渡などです。
- 準拠法と紛争解決。管轄、仲裁条項、二言語の契約でどちらの言語を優先するかを定める条項です。
- 別紙。作業範囲記述書、価格表、仕様書は本文より頻繁に変わるのに、いちばん比較されません。別紙もファイルとして比較してください。
ツールが役に立つところ
機械的にひと通り見る作業は無料です。Word文書を比較かPDFを比較が、2つの版のあいだの追加、削除、書き換えられた条項をすべてハイライトします。上のチェックリストは、文書全体ではなく、本当に変わった短い一覧に当てればよくなります。署名済みのスキャンは、PDFをOCRにかければ比較できるようになります。
判断の部分こそ、AIが働くところです。契約書の分析が契約を読み、リスク、一方的な義務、抜けている保護条項、見慣れない条項を指摘します。「何が変わったか」が片づいたあとに、レビュー担当者が問うことばかりです。大事な契約なら、署名する前に変更後の版をこれに通してください。